旅行業界は、2008年9月の金融危機以降、旅行需要は景気低迷を背景とした旅行・出張の手控えに新型インフルエンザ流行が追い打ちをかけ、不振が続いている。
旅行、観光は日本では「遊び」のイメージが強く、軽視されがちだが、旅行消費額は2008年度で23.6兆円と意外に大きく、運輸業・宿泊業など他産業への生産波及効果も大きい。2008年10月には観光庁が発足、ビジット・ジャパン・キャンペーンの展開、規制緩和等で訪日外国人旅行者数増加を目指している。
旅行需要はなぜ低迷しているのだろうか。
中国を中心とするアジアの旅行熱の高まりを、日本が今後どのように取り込んでいけるかが、今後の旅行業界の浮沈を握っているといえるのではないでしょうか。
近年、高速道路や新幹線の整備が進んだことにより、かつては宿泊しなければ行くことができなかった観光地への日帰り旅行が可能になったことなどを背景に、日帰り旅行参加者は過去四半世紀にわたり増加を続けている。
(社)日本観光協会の調査によると、平成13年度に日帰り旅行に出かけた人は国民の65%を占め、日帰り旅行者一人当たりの1年間の参加回数は5.7回であり、国内日帰り旅行消費額は5兆2640億円(国土交通省「我が国における旅行消費の経済波及効果について(2002年)」)となっている。
日帰り旅行は、一部のバスツアーを除いて、従来旅行会社としてあまり積極的にかかわってこなかった分野である。単価が低いため、手間を掛けて旅行の企画や手配を行うと採算が取れにくいことに加え、マイカー中心の旅行であり、宿泊を伴わないことから、予約業務を中心とした旅行会社のビジネスモデルに適応しにくいというのが、その主たる理由であった。
今後、女性グループを中心とした近場の温泉で昼食と入浴を楽しむ小旅行、テーマパークや日帰り入浴施設等への家族・グループでの旅行、スキーをはじめとする日帰りのスポーツレクレーションなど、日帰り旅行市場は、さらに拡大の可能性をもっている。
また、宿泊旅行に比べて単価が低いことから、可処分所得伸び悩みの経済環境のなかで宿泊旅行から日帰り旅行へのシフトが進むことも予想される。
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